2020.12 雑誌「モンキー」に寄稿しました。
2021.01 動物心理学研究に共著論文が早期公開されました。
2021.02 American Journal of Primatology誌に論文が掲載されました!
山梨 裕美
京都市動物園 生き物・学び・研究センター 主席研究員
博士(理学)
京都大学野生動物研究センター 特任研究員
飼育下の野生動物を対象に動物福祉に関する研究を通して、ヒトと動物の関係について考えています。
動物園など、わたしたちの身近にたくさんの野生動物が暮らしています。 動物に対する考え方は人それぞれ。そしてその付き合い方もそれぞれの場所や人によって変わります。では人はどのような関係で付き合うのがよいのでしょうか。肝心の動物たちはどう感じているのでしょうか。飼育動物が心も体も健康に暮らせるような環境を整備するためには科学的根拠に基づいて実践を進めていく必要があります。こうしたことに関わる基礎的・応用的な研究をチンパンジーやスローロリス、その他の動物を対象におこなっています。
その中でも飼育下で形成される社会関係が動物の福祉や行動にどのような影響を与えるのかということに関心をもっています。特に、社会的な関係性が中長期的に与える影響や、個体から個体への文化行動の伝播、個体間の緊張をどのように緩和するのかなどに興味を持っています。こうしたことは、科学的根拠に根ざした飼育動物の社会管理を考える上で重要だと考えています。
また、動物園などで動物福祉を向上させるための具体的な方策〔環境エンリッチメント〕や動物福祉の客観的な評価方法などについても研究をしています。最近では組織レベルでの動物福祉向上のための体制作りにも関心を持っています。
活動場所は、京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリや京都市動物園、日本モンキーセンターなどの動物園です。特に2017年より現職になってから動物園での活動が主になりました。様々な方とのコラボレーションを通して、色々な動物の世界が覗けるのを楽しく思っています。